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【第30回】

「クリックフォン for Windows」
Webページから電話をかけよう!1,000万件の法人電話番号検索も無料の電話帳

(99/04/12)

 Webページで便利なことの一つに、「メールはこちらまで」といった mailtoリンクをクリックするだけで、その相手に簡単にメールが出せることがある。大抵の場合、メールアドレスをいちいち入力しなくても、自動的にメールソフトが起動して宛先入力欄にメールアドレスが入力される。ではそれと同じような感覚で、ホームページからクリック一発で電話がかけられたら便利ではないだろうか? さらに電話番号の検索もあれば…。今回はそんな面白い発想のソフトを紹介しよう。

モデムと連動する電話帳ソフト

「クリックフォン for Windows」v2.02  「クリックフォン for Windows」(以下「クリックフォン」と略)は基本的にはモデムから電話をかけるためのソフトだ。住所やメールアドレスなどの情報をカード型の表として登録管理し、相手先へはボタンのクリック一発で電話をかけられるようになる。呼び出し中に人間が電話の受話器を取って相手と話すことになるので、電話回線の延長や分岐などの形で電話機とモデムが接続されている必要がある。

 「クリックフォン」をインストールするとWWWブラウザーにプラグインとしても組み込まれ、電話をかけるためのボタンをWebページ内に埋め込むことができるようになる。ボタンの左クリックですぐ電話をかけることができ、右クリックで電話帳登録のためのダイアログが開く。ボタンはEMBEDタグ等を使ってHTMLで記述するが、HTMLの基本的な知識があるWebページ管理者なら誰でも使えるだろう。

 また、全国約1,000万件の法人電話番号についてはインターネットの電話番号検索サービス「テレフォニーナビ」から無料検索でき、検索結果をそのまま電話帳に登録できるのがうれしい。NTT提供の電話番号検索サービスは有料だが、こちらは法人に限られるものの検索無料なので、気軽に利用することができる。

 電話帳の登録数は無料使用の間は10件までに限られるが、アップグレード(3,800円)によって登録数制限はなくなる。電話帳にデータをたくさん登録しても、キーワード検索で必要な電話番号を素早く探し出すことができる。なおアップグレードしなくても、電話帳登録数以外の制限は一切ないため、電話番号検索ソフトとしてずっと使い続けることは可能だ。

Webと電話帳の融合

 「クリックフォン」はWWWブラウザーと連動させて使う仕組みになっている。電話帳や検索結果などはすべてWWWブラウザー上で表示され、法人電話番号の検索の際にはインターネットへシームレスに接続される。

 その反面、自分で登録した電話帳データを見るためにもいちいちWWWブラウザーが起動してしまうのは、好き嫌いの分かれるところだろう。特にアナログ回線のダイヤルアップ環境でインターネットに接続している場合、いったん手動で接続を切ってから電話をかけるボタンを押す必要がある(環境によってはフリーズしてしまうこともある)のは残念だ。また外線発信が必要なときも設定に手こずる。

 さらに登録データの修正には修正したデータを入力してから古いデータを改めて削除する必要があったり、任意条件でのソートができないなど、単なる電話帳として見た場合に機能面で決して優れているとは言い難い。これらについては今後の改良に期待したいものだ。

 だが、それでもなおこのソフトの着眼点は十分に面白く、魅力的なソフトだと筆者は感じる。インターネットが生活に密着したものとなりつつある今日、メールと同じように電話もWebページから簡単にかけたいという欲求がおきるのはごく当たり前のこと。プラグインと検索サービスそれぞれが互いに相乗効果となって、このソフトの活用範囲を大きく広げているのだ。

 なお「クリックフォン」のFAX版とも言える「クリックファックス for Windows」が同じ作者からリリースされており、それぞれに互いを呼び出せるよう連動の操作性が考慮されている。FAXをよく使う人はこちらも要チェックだ。

【著作権者】(株)ナチュラルアイデンティティ
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.02(99/04/03)

□ナチュラルアイデンティティ
http://www.naturalidentity.co.jp/

(ひぐち たかし)

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