【第29回】
「撮ったら君とみるちゃん」
デジカメ写真や画像を楽しく見る！印刷する！手軽で簡単な写真帳ソフト
（99/04/05）
デジカメ写真や集めた画像をサムネイル表示で整理するソフトにはいろいろなものが登場しているが、どうにも機能重視で無味乾燥なソフトが多い印象を受けるのは筆者だけだろうか。旅行の記念など、楽しい思い出が詰まっている写真だからこそ、子供たちでも使えたり、家族や友達と楽しく見ることができるほうがうれしい。そんな人にオススメの画像閲覧ソフトが登場しているので紹介しよう。
楽しく手軽に使えるデジタル写真帳
「撮ったら君とみるちゃん」はデジカメで撮った写真や集めた画像を楽しく手軽に見たり整理しようというコンセプトで作られた写真帳ソフトだ。「とったらくんとみるちゃん」と読む。
まずはボタン類がすべてPOPイラスト風のアイコンになっているのが大きな特徴だ。「みる」と「せいり」をウィザード（対話）式で操作でき、要所要所で大きな“吹き出し”のヒントが表示されたり、マウスカーソルが自動で動いて次にするべき操作を教えてくれる。パソコンを始めて間もない人や子供たちでも簡単に使えるようになっている。
画像を見ていく機能では、“「撮った」を見る”“「フォルダ」を見る”“「最近みた」を見る”“「整理した」を見る”といったわかりやすい名前の、4つのメニューが用意されている。例えば「撮った」を見る場合は、2つまで設定可能な「カメラフォルダ」から、画像を数枚ずつのカタログ風や小さなサムネイルつきの目次風に表示し、1ページずつ順に閲覧する。そこで「整理する」を選べば、「写真帳」の「撮ったら整理だな」に日付を元にフォルダが作られ、そこに画像がコピーされて自動的に整理してくれるといった具合だ。
「整理だな」に入れた画像はオリジナルファイルを変更することなく回転表示が可能で、気に入った写真をすぐレイアウトして印刷できる。印刷は1/2/4/6/8枚ずつや小さなインデックス画像としてびっしり並べて印刷できるなど、さまざまなレイアウトが用意されている。縦横の印刷方向や、同じ1枚の画像を並べるか違う写真を1枚ずつ並べるか、用紙をいっぱいに使うか余白を適度にあけるかといった選択も簡単だ。
そのほかスライドショー機能もあり、表示開始と停止、表示間隔の調節がボタンのクリックで簡単にできるようになっている。また表示サイズの変更は「大きめ」と「小さめ」の2通りから選ぶなど、全体的に各機能は煩雑にならない程度に簡素化されている。
明確なコンセプト
実際に使ってみると、「デジタル写真帳」と呼ぶのがピッタリ、とにかくわかりやすく、使っていて楽しい印象を受ける。操作も直感的に使え、チップヘルプも適宜表示されるため、操作に迷うことはあまりない。おそらく小学生くらいの子供でもラクに使いこなせるのではないだろうか。家族や友達と一緒に使いたいソフトだ。しかし、その一方で操作が簡素化されている分、もうちょっと微調整をしたり融通を利かせた
いという欲求にかられることもある。
またWindowsらしい操作、例えば右クリックでメニュー表示、左クリックで選択といった操作ができず、場面によっては右クリックと左クリックで同じ動作をするケースもある。Windows標準の操作性とのある程度の統一は図ってほしいところだ。さらに、筆者が試用した限りでは、操作によって突然落ちたり反応がなくなるなど挙動不審な動作をすることもしばしばあった。これはまだプレビュー版であるためやむを得ないと思われるが、正式版リリースまでには安定することを期待したい。
盛り込みたい機能をどこまで付け、何をあえて省略するかというのは、どんなソフトでもバランスの難しいところだ。万人を満足させるか、あえてターゲットを絞るかは作者次第なのだが、このソフトで作者は後者を選んだようだ。プレゼンテーションを意識し、画像を手軽に楽しく扱うというコンセプトを前面に押し出した、意志のハッキリしたソフトだと言えるだろう。
なおPreview版で対応している画像形式はJPEGのみ。また、Preview2版はフリーソフトとして配布されているが、ライセンスの関係で使用期限が30日間または'99年5月末日となっている。またホームページでは、制作評価用として不具合修正と背景色等のオプション設定が追加されたプレビュー2.1も配布されている。
【著作権者】D-Stream
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.01プレビュー2（99/03/25）
□デイストリームへようこそ
http://www1.sphere.ne.jp/d-stream/
（ひぐち たかし）
