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ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第25回】

「SWave」
いろんな音を作ってみよう! 効果音を簡単に自作できるサウンドエディター

(99/03/01)

 比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。

 Windowsはさまざまな場面でいろんな音が鳴る。システム起動時、終了時、ウィンドウを開くとき、閉じるとき、ごみ箱を空にするとき…。コントロールパネルのサウンド設定で各々のイベントに割り当てられるサウンドは、標準でもいくつか用意されている。しかし、そういった効果音を自作してみたいと思ったことはないだろうか。既製音のサンプリングやアナログ録音ではなく、デジタルな効果音を一からまったく新しく手軽に作成できれば… そんな楽しいソフトが最近登場しているので紹介しよう。

マウス操作で誰でも簡単に音が作れる

「SWave」v1.02  「SWave」は波形合成によって効果音を作るためのソフトだ。音が空気の振動による“波”であるということは、誰でも理科の授業で習ったと思う。この波の周期(周波数)や形(波形)などによって、音はさまざまに変わる。「SWave」は波形や周波数など音の要素をグラフ表示し、そのグラフをマウスで自由に変形させることでいろんな音が作れるソフトなのだ。

 「SWave」を起動すると4つのウィンドウが現れる。音色にあたる「波形」、音程にあたる「周波数」、音の大きさである「音量」、そしてステレオの左右のバランスを決める「定位」だ。これら4つの要素の組み合わせで一つの「トラック」を作り、トラックを複数組み合わせることで複雑な音を作ることができる。

 まずは音程である「周波数」をいじってみよう。マウスでドラッグすればグラフは自由に変形する。好きなように変形させたら、ツールバーの再生ボタンを押してみよう。すぐにその音が鳴るはずだ。例えば周波数のグラフを左から右に傾いた直線にすれば「ひゅうぅーっ」と高いところから物を投げたときの擬音のような感じの音になるし、高低の激しいぐにゃぐにゃした曲線にすれば、宇宙人がしゃべっているかのようなぐにゃぐにゃの音になる。曲線を描くか直線を描くかはツールバーのボタンひとつで切り替えられる。

 「波形」のウィンドウにはきれいなサインカーブが用意されているので、それを適当にマウスでいじれば音色が大きく変化する。木琴っぽい音が金属板のような音にもなるし、SF映画で宇宙船が出すような音にもなる。波形はマウスで描くだけでなく、自動作成ボタン(波形ジェネレーター)によって「サイン波」や「矩形波」「ノコギリ波」などある程度決まった形にすることも可能だ。同様に「音量」や「定位」もマウスで自由に変形でき、また波形・周波数・音量については、分散度(ランダム要素)を設定してノイズを入れるなど、高度な調整もできるようになっている。

 そのほか再生時間(ミリ秒単位で最大30秒まで)やチャンネル(ステレオ/モノラル)、量子化ビット数(8/16bit)、サンプリング周波数(11/22/44kHz)といったWAVファイルの設定も行える。

 こうして作成したサウンドはWAVファイルとして保存できるのはもちろん、独自形式のデータファイルとして保存し、データを後から再利用したり修正することが可能だ。ただし既製のWAVファイルからの読み込みはできない。

サウンド素材の作成だけでなく理科教材にも

 音の仕組みをよくわかっていないシロウトの筆者でも、とにかくマウス操作だけで簡単にいろんな音が作れるという点が楽しい。操作性もわかりやすく、実用性も十分。しいて不満な点をあげるなら、トラックごとの再生機能がほしいことと、間違って長い秒数を指定したときのために再生中止ボタンがあるといいと思われるくらいだろうか。

 最初はなかなか思い通りの音が作れないかもしれないが、ヘルプには「金属音」「波の音」などの作り方が解説されており、ピアノ風の音、何かが凍り付くときのような擬音など、サンプルファイルもいくつか同梱されているので参考にしよう。いろんな音を鳴らしているうちに、どこをどういじればどのように音が変わるのか、音というものに対する興味が刺激される。ゲームやホームページなどのサウンド素材を作るという実用性だけでなく、サウンドクリエイターの入門用としても、また中学校や高校の理科の教材にしてもよさそうな、よくできたソフトだ。

【著作権者】Shou(河合 章悟) 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.02(99/02/12)

□さくらやまスクエア
http://member.nifty.ne.jp/shogokawai/

(ひぐち たかし)

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