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特集


MODでオリジナルの作曲にチャレンジ!
ロボットボイスを使ったオリジナルの作曲方法を教えます

(98/11/02)

 パソコンで作曲というと、データ形式にMIDIを使うというのが今ではポピュラーだが、MODという形式も昔から根強い人気がある。MIDI形式データは、曲の演奏情報だけを記録するため、ファイルサイズが小さくなるというメリットがあるものの、再生するには対応する音源(ハードもしくはソフト)が必要で、使える音の要素は音源に収録されているデータのみ、という制約がある。しかし、MODならば曲の演奏情報に加えて音色データも記録するため、MIDIのように音源に制約されることなく、ボーカルでも何でも演奏に使う音すべてを作曲者自身が作成して作曲し、記録することができる。

 しかし、いざMODで曲を作ろうとしても、制作ノウハウの情報がMIDIよりも少なく、「どうやって音を用意すればよいのか?」という初期の段階で挫折してしまう人が多い。そこで、今回はオリジナルの音を簡単に作成できるソフトの紹介を中心にして、MODで作曲する一連の流れを簡単に説明していくことにする。

■ まずは音を作成しよう

 MODに使用する音はCD-ROMなどでフリーで配布されている音データを利用するのも手だが、せっかくだから全ての音を自前で作成しよう。机やコップを叩いた音を録音して加工するのも一つの方法だが、音の波形を計算によって作成したり、マウスで自由に波形を描いて一から音を作成するソフトを利用するというのも手だ。

「CoolWave」

「CoolWave」  CoolWaveは、マウスのドラッグ操作だけで音を作成するソフト。最大4チャンネルの音を合成できる。関数を用いた複雑な数式を使用せず、グラフ上のポインタを移動させて周波数と音量とノイズの値を簡単に設定できる。音色の波形をフリーハンドで自由に描き、倍音の比率を設定して、厚みのある音を手軽に作成することもできる。何から手をつけて良いのかわからないという人でも、波の音やピアノの和音を作成するチュートリアルを参考にしたり、付属のWAVサウンドを解析するツールを使って実際の音を解析すれば、おおよそコツがつかめるはず。作成した音はCoolWaveで再利用できる形式での保存と、8/16bitと11/22kHzを指定してモノラルのWAVファイルでの保存が可能。ただし、シェアウェア登録前の試用期間中はWAVファイルでの保存はできない。

【著作権者】佐々 英浩 氏
【ソフト種別】シェアウェア 700円
【バージョン】 1.11j(98/07/07)

□ダウンロード
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/software/win95/art/sn075501.html

「Sound Creator」

「Sound Creator」  Sound Creatorは、sinやlogといった関数を用いた数式を入力して音を作成するソフト。音に詳しい人なら、サイン波・三角波などの波形の関数と、音の周波数・音の長さ・音量などを組み合わせて自力で数式をおこして音を作成できる。そうでない人でも音色ウィザードで、波形・音程・音量の変化の度合いなどを選択するだけで簡単に音を作成可能。最大8トラックの合成が可能で、それぞれのトラックの音に自由に音階を付けられるため、単音ではなくフレーズや複雑な音色を作成することができる。ステレオ効果も抜群で、音の左右のバランスにこだわる人にもオススメできる。作成した音はSound Creatorで再利用できる形式での保存と、ステレオ・モノラル、8/16bitと11/22/44kHzを指定してWAVファイルでの保存が可能。ただし、シェアウェア登録前の試用期間中はWAVファイルでの保存はできない。

【著作権者】まるあい 氏
【ソフト種別】シェアウェア 900円
【バージョン】3.0(97/09/22)

□ダウンロード
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/software/win95/art/sn058903.html

■ エフェクトをかけて音を仕上げよう

 MODがMIDIと大きく異なるのはボーカルを自由に入れられる点。オリジナルの詩を歌ったり、ロボット風のボーカルなどを取り入れると曲の表現力がぐっと増す。しかし、Windows付属のサウンドレコーダーを使ってボーカルを取りこむには、録音時間や加工処理に制限がありすぎる。

 そこで、次は録音時間に制限がなく、録音した声やこれまでに作成した音に特殊な加工処理ができるソフトを紹介する。

「効果音めーかー」

「効果音めーかー」  音の波形・音量・周波数・雑音をsin波形またはフリーハンドで描いて新しく音を作成したり、その音を読み込んだWAVファイルなどに合成するソフト。これまでに紹介してきた音を作成するソフトと違って複数チャンネルの合成はできないが、編集中の音に新しい波形を次々と合成したり、WAVファイルを新たに読み込んで編集中のデータと合成できるというのが大きな特長。時間経過による複雑な音量の変化などの加工も楽だ。編集中のデータの形式を8/16bitならびに11/22/44kHzを指定して変換することと、作成または加工した音をその形式でモノラルのWAVファイルとして保存することが可能。音の新規作成だけでなく、既存の音の合成・加工もできる便利なソフトだ。

【著作権者】原 靖 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】1.10(97/02/17)

□ダウンロード
http://www.vector.co.jp/vpack/browse/software/win95/art/sn045171.html

「HotWav for Windows95」

「HotWav for Windows95」  メモリが許す限り録音時間に制限がなく、ボイスチェンジなどの加工処理が簡単にできるソフト。Windows付属のサウンドレコーダーでは60秒間しか録音できないので、60秒間を超過するような長い歌などは、このソフトを使用して録音するとよい。エコーやビブラートなどの加工処理が可能で、その中でも、音の長さを保ったまま音の高さを変更できるボイスチェンジは重宝する。男声を女声に変化させることも、その逆も、ロボット調の声に変化させるのも思いのままだ。もちろん声に限らず、作成した音を加工させるツールとして活用できる。しかし、コピー&ペースト等の音の編集や音の合成等の加工処理はできないので、先に紹介した効果音めーかーと用途別に使い分けるとよい。

【著作権者】(有)ダイナシステム
【ソフト種別】フリーウェア
【バージョン】1.2(98/04/28)

□ダウンロード
http://www.dynasys.co.jp/WinSoft/Hw/index.html

■ MODの作曲にチャレンジしよう

 以上のソフトを利用して、楽器やボーカルなどの各パートの音が作成できたところで、最後にいよいよ作曲の作業だ。ここでは、定番のMODプレイヤー ModPlug Playerのノウハウを活かして作成された、対応フォーマットが豊富で作曲も再生もソツなくこなすMODトラッカーの新鋭ソフトを紹介することにしよう。

「MODPlugTracker」

「MODPlugTracker」  最大64チャンネルの編集が可能なMOD作曲ソフト。作成した音をSamplesに登録して判別用の名前を付け、Instrumentの設定をすれば、すぐに楽器として利用可能になる。楽器として登録した音は、ボーカルなどの区別なく、全て自由に音階をつけて再生できる。作曲自体に不慣れな人は、最初は形式にとらわれず、思いつくままにキーボードからリアルタイムに適当なリズムパターンをどんどん入力し、後で気に入ったフレーズだけを繋げて曲を作成するテクノ風の作曲方法でトライしてみるといいだろう。自信作が完成したら、ホームページで公開して、みんなに聴かせよう。

【著作権者】Olivier Lapicque 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】Beta 3.2 (98/10/11)

□MODPlug Central | Official HomePage
http://www.castlex.com/modplug/

(竹元 かつみ)

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