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ひぐちたかしの新作ソフト紹介


【第7回】

「自動作曲システム」v2.0
パソコンに作曲してもらおう! 民族音楽にも対応のお手軽作曲ソフト

(98/10/06)

 比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。

 パソコンで音楽というと、手持ちの音楽CDを鳴らしたりカラオケMIDIを聴くなど、特にパソコンでなくてもいいような使い方をしている人が多いのではないだろうか。もちろんパソコンにMIDI機器をつないで作曲活動をしている人も最近は増えているが、どんなにハードウェアやソフトウェアを揃えたところで、曲を創作するにはやはり知識と技術と才能が必要だ。しかし驚くなかれ、今や自動で作曲してくれるソフトが登場している。一番大変な作曲から演奏までをパソコンにやらせ、誰もがオリジナルの音楽を楽しめるというフリーソフトがあるのだ。

音楽のスタイルを選択するだけで作曲しMIDI演奏してくれる

自動作曲システム Ver2.0  「自動作曲システム」は音楽のスタイル(パラメーター)を指定するとそれに沿った曲を自動で作曲し、MIDI演奏してくれるユニークなソフトだ。スタイルは「洋ポップス」、「オルゴール曲」、「英雄テーマ曲」、「ホラー」、「ブルースピアノ」、「教会オルガン」といった音楽ジャンルで選択し、さらにテンポやコード進行、曲調、不協和音の有無、ベースパターン、楽器などを細かく指定変更することもできる。

 もちろん曲調まで指定できるからには、ただ音符を意味もなくランダムに並べているわけではない。作曲の基本というのは簡単に言えば、コード進行とそれに沿ったベース、メロディ、リズムを決め、テンポや音色等を合わせる作業と言っていいだろう。また音楽の各ジャンルにはテンポやリズムなどそれぞれに共通した特徴がある。そういった要素を乱数またはあらかじめ用意されたパターンから選択し、条件に従って組み合わせることで、コンピュータに作曲させることが可能となるわけだ。「自動作曲システム」はまさにそれを実現したソフトなのだ。

 また、このソフトではなんと世界の民族音楽風の作曲もカバーしている。民族音楽には使用する音階やリズム、楽器などにそれぞれ特徴があるが、このソフトの作者はそういった民族音楽を研究し、「自動作曲システム」に採り入れているのだ。「祭囃子」、「沖縄民謡」、「スコットランド民謡」、「アンデス民謡」、「アフリカ音楽」、「ガムラン音楽」、「中国伝統曲」といったジャンルの自動作曲と演奏が楽しめる。

 使い方もいたってシンプルで、好きなスタイルをマウスクリックで指定し(複数指定可)、PLAYボタンを押すだけ。その場でMIDIファイルを作って演奏を続けてくれる(ただしMIDIファイルが再生できる環境が必要、ソフトウェアMIDI再生でも可)。もう一度PLAYボタンを押せば演奏は止まるが、 放っておけば次々と演奏しながら100曲まで自動作曲してくれる。

オリジナル曲を奏でる演奏ソフトとしても

 さて実際に作曲させてみた曲の印象だが、少々前衛音楽的というか即興で演奏しているような感じの曲になってしまうのは仕方がないのだろう。しかしそれでも、同じモチーフの繰り返しがあったり、途中にサビがあって最後はコーダ部があるなど、予想よりもずっと曲らしい曲ができるので驚きだ。本格的な長い楽曲はできないものの、ホームページのBGM用や自作のちょっとしたゲーム用の音楽などには十分使えるだろう。

 また、このソフトの用途は曲を作ることにあるのはもちろんだが、自分の好きなジャンルのオリジナル曲を連続演奏してくれるプレイヤーとしても楽しめることに注目したい。特にジャズ系はオススメで、「サロンピアノ」や「ブルースピアノトリオ」といった設定でそのままどこかの洒落たバーのBGMとして流してもいいくらいだ。 ホームパーティ用に一風変わったBGM演奏ソフトとして利用するのもいいだろう。 秋の夜長には「オルゴール曲」を静かに流してみるのもいい。

 音楽の知識がほとんどなくてもオリジナルの音楽を自動的に作曲して演奏してくれる「自動作曲システム」は、まるでパソコンの中に一人の音楽家を雇っているようだ。テレビやラジオのヒットチャートで流れる曲を聴くのとはまた違う音楽の楽しみ方を、このソフトでぜひ体験してみてほしい。

【著作権者】勝田 哲司 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】2.0 (1998/10/05)

□音楽研究所(「自動作曲システム」ホームページ)
http://www.asahi-net.or.jp/~HB9T-KTD/music/musj.html

(ひぐち たかし)

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