【第6回】
「JPEG TIME STAMPER」v0.21
大量のJPEG写真にまとめて日付やコメントを入れよう
(98/09/28)
比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。
いよいよ秋の行楽シーズン到来。旅行や遠足、運動会などにデジカメを持っていく予定の人も多いことだろう。今回はたくさん溜まったデジカメ写真にまとめて日付やコメントを入れられる便利なソフトを紹介しよう。
JPEG写真に日付やコメントをまとめて写し込む
「JPEG TIME STAMPER」はJPEG写真に撮影日時を写し込むためのソフトだ。デジカメには写真画像自体に日付を写し込む機能のないものがほとんどだが、撮ったJPEGファイルには、撮影日時の情報がJPEGヘッダ部に記録されている。この撮影日時情報は通常のJPEGビューワーなどでも見ることができないが、「JPEG TIME STAMPER」はその撮影日時情報を抽出して、写真上の四隅の好きな位置に写し込んでくれるのだ。
対応デジカメは説明書にリストアップされているが、JPEG形式で記録する最近のデジカメのほとんどを網羅している。また対応していない場合や、一度何らかのレタッチをしたJPEGの場合など、撮影日時情報が抽出できないものでも、JPEGファイルのタイムスタンプから日付を抽出したり、または任意に日時を指定して写し込むことが可能だ。プレビュー画像を見ながら1枚ずつ処理できるほか、フォルダ単位での一括処理にも対応している。
日付の形式は「1998/01/01」「1, Jan.'98」の2タイプから選択でき、時刻形式も「23:59:59」「pm 11:59:59」の2タイプが選べる。フォントや背景色、文字の周囲色（縁取り）など細かい指定も可能。フォントサイズはポイント指定と、サービス版でプリントした時の実寸（2.5mm～10mm）指定があり、印刷することを意識して作られているのがうれしい。
そのほか、撮影日時だけでなく1行コメントを写し込むこともできる。画像を見ながら1枚1枚個別のコメントを手軽に入力できるし、リストに入力しておくことで別々のコメントを一括で写し込むことも可能だ。また例えばCopyright表示など、共通した文字列を共通して写し込みたいときにも役に立つだろう。オプションではほかに日時の表示形式やフォント、ファイル保存方法（元の画像に上書きするか別のフォルダに保存するかなど）を好みに指定できる。
用途を絞り込んだソフトならではの使いやすさ
写真に日付を写し込む機能は、最近のデジカメにはないものが多いが、カラープリンターの性能も上がっている昨今、特にプリントアウトして友達に見せたいときには欲しい機能だ。もちろんグラフィックソフトを使って自分で書き込めばいいだけの話なのだが、何十枚も溜めてしまいがちなデジカメ写真だからこそ、いちいち手動で日付を書き込むのは面倒な作業となる。そんなとき「JPEG TIME STAMPER」が重宝する。
確かにJPEG画像に日付やコメントを入れるだけのソフトと言ってしまえばそれまでなのだが、用途が絞り込まれているせいか、ユーザーインターフェイスもよく考慮されていて、とても簡単に使えるのがいい。総合グラフィックソフトでは味わえない手軽さで完成度も高い。しいて要望をあげるなら、日時とコメントを別々のフォントや位置に指定できるようにしてほしいことと、プレビュー画像のオートリサイズ表示機能もほしいくらいだろうか。しかしそれらは今後に期待するとして、いずれにせよデジカメユーザーなら誰もが持っていて損のない一品であることには間違いないだろう。
【著作権者】ＮＡＧ＠森の里ＣａｎｄＹ 氏
【ソフト種別】フリーソフト
【バージョン】0.21 (1998/08/18)
□NAG'S VASS ROOM（「JPEG TIME STAMPER」ホームページ）
http://www02.so-net.ne.jp/~candynag/
（ひぐち たかし）
