【第2回】
ロゴお絵描きツール「フォン太」v1.12
ホームページのオリジナル画像素材作りに最適！
(98/08/31)
比較的リリースが新しく、これからの成長も楽しみなオンラインソフトにスポットを当て、その魅力などを紹介しよう。
最近は個人のホームページに凝ったデザインのものが多くなった。タイトルロゴひとつ取っても、影付きで浮いたように見えるもの、透かし彫り風のもの、3DのCGっぽいものなど、それぞれに個性的でスタイリッシュな文字や画像が溢れている。それらを見るにつけ、自分のホームページもせめてタイトルロゴくらいもう少し格好良くできないものかと、密かに頭を抱えている人もいるのではないだろうか。かといって、お絵描きソフトを駆使して作成できるだけの時間も経験も意欲もない…。
そんな人に福音となってくれるソフトを紹介しよう。
手軽にロゴやボタン画像が作れる
「フォン太」はレタッチとドローの機能を併せ持つ、シェアウェアのグラフィックツールだ。フォントや写真画像を装飾し、いとも簡単にカッコいいロゴやボタン画像を作成できる。とかく面倒な手順はほとんど不要。元になる文字を入力したら、図形メニューから「プロパティ」を選び、「スタイル」として登録されている見本を見ながら気に入ったものを読み込み、OKを押すだけでいい。手前に浮き上がったような影付きロゴはもちろん、切り抜き、ネオン、電球、多色グラデーションなどがすぐにできてしまう。
またフォントを元に装飾するだけではない。ドロー機能もあるから、円や四角形、直線、ベジェ曲線など自分で自由に描いたものをスタイルにあわせて装飾することができる。たとえば円を描いて「球」のスタイルを選べば、それだけで3Dの球体が描けてしまう。もうホームページ素材集に頼ったり、3Dモデリングソフトまで引っぱり出さなくても、好きな形の3Dボタン画像がいくらでも簡単に作れるわけだ。
さらにもう少し微調整をしたい人にも、「フォン太」は十分応えてくれる。文字フォントや四角形などの非線図形は、線図形化して輪郭を編集できるようになる。つまり文字の形も一度描いた図形も後から好きなように変えることができるのだ。この場合はベジェ曲線を変化させるのと同様にコントロール点を動かすことで変形が可能となる。また、グラデーションや光の位置、影の距離なども、高機能な総合ペイントソフトなみに細かい調整が可能だ。そしてそのようにカスタマイズしたスタイルは、新たに保存登録することもできるのだ。
しかし一方で、 アンドゥ機能がないとか、画像の保存はBMPにしか対応していないなど、残念な点もいくつかはある。ホームページの素材として使うには、他のグラフィックソフトでJPEGやGIFに変換する必要がある。インストーラーやアンインストーラーがないことや、ヘルプに用語解説がないのも、若干とっつきにくい印象を与えている。またシェアウェア未登録だと描画スタイルは最大30種類まで、グラデーションスタイルと光源スタイルは10種類までしか登録できない。
だがそれらを差引いても、「フォン太」は使ってみればその楽しさ、手軽さがすぐに実感できることだろう。耳慣れない用語に戸惑うことはあるかもしれないが、ドローソフトを触ったことがある人ならすぐにカンがつかめるに違いない。
目の付けどころがカギ
確かに市販の「Photoshop」やシェアウェアの「Paint Shop Pro」などの総合ペイントソフトをうまく使えば、ロゴ文字をカッコよく作成することはできる。近頃はそれらのソフトを使いこなすためのワザやコツをまとめたHowTo系のWebページもいくつかあるようだ。しかし、ちょっと文字を立体的にして影を付けるとか、立体感のある丸いボタンひとつ作るだけでも、慣れていないと時間がかかってしまう。それが「フォン太」ならラクラク数分で描けてしまう。総合ドローソフトとしても通用する機能を持ちながら、あえてロゴ画像作成に的を絞った「フォン太」の狙いはすばらしい。スタイルという形でビジュアル的にわかりやすい '仕上がり見本' が用意され、ユーザーレベルにあわせた使い方ができるバランスも抜群だ。これなら使いこなせず途方にくれる人も、途中で投げ出してしまう人も、ほとんどいないだろう。
初心者から上級者にもおススメの「フォン太」。あなたもさっそく今日からホームページを（まずは外見だけでも）カッコよくリニューアルしてみてはどうだろうか。
著作権者：小塚明義氏
ソフト種別： シェアウェア \2,800
バージョン：1.12
□Kozdon's Place（「フォン太」ホームページ）
http://www.na.rim.or.jp/~akozuka/
（ひぐちたかし）
